ジョルディ・サヴァール・トリオ
ケルティック・ヴィオール

人と自然 イングランド、アイルランド、スコットランドとアメリカの伝統の中の音楽の肖像と風景

2017年9月15日[金]

チケット予約

©Toni Figueras

秋の一夜が古のケルト音楽に染まる
“古楽界のレジェンド”サヴァールのケルトへの旅

 幼いころ聴いた母の子守歌、木の葉をゆする風のそよぎ、遠くに響く祭りのにぎわい……。“古楽界のレジェンド”とも謳われるサヴァールのヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)には、過ぎ去りし時への愛に満ちたまなざしが宿っています。
 水戸芸術館に待望の初登場となるサヴァールが携えてきたプログラムは、ケルト音楽を特集する一夜“ケルティック・ヴィオール”。スペイン・カタルーニャにルーツを持つサヴァールにとって、紀元前の石器時代、ピレネー山脈を越えてカタルーニャに金属加工の文化をもたらしたケルトは、特別な想いを寄せている民族であり、文化なのです。
 ケルト音楽の第一人者でもあるアイリッシュ・ハープ奏者アンドルー・ローレンス=キング、アイルランド音楽の伝統を受け継ぐ打楽器奏者フランク・マグワイアーとのトリオで、スコットランドやドニゴールの伝承曲、17~18世紀に活躍したアイルランドの伝説的な吟遊詩人オキャロランの作品などが取り上げられます。西洋音楽の中枢を占める作曲家ばかりでなく、洋の東西を問わず、知られざる伝承音楽の発掘にも情熱を傾けてきたサヴァールによる“ケルト音楽の祭典”です。
 サヴァールはさらに、水戸芸術館のために特別にバッハとマレの無伴奏作品も弾きます。サヴァール・トリオが紡ぎだすケルトの民族的な調べの一方で、“西洋音楽の本流”に位置するドイツのバッハ、フランスのマレがどう響くのか。どうぞ、ご期待ください。

【出演】
ジョルディ・サヴァール(トレブル・ヴィオール、リラ・ヴィオール)
アンドルー・ローレンス=キング(アイリッシュ・ハープ、プサルテリ)
フランク・マグワイアー(バウロン)

【曲目】
カレドニア・セット
アイルランド伝承曲:ケポックのアーチボルド・マクドナルド、音楽の司祭、スコットランドのメアリー
キャプテン・サイモン・フレイザー:カレドニアの叫び~ニール・ガウのための
アイルランド伝承曲:サッカウのジグ

ランカシャー・パイプス
ア・ポンイトまたは前奏曲~ランカシャー・パイプス~
ラムゼイの豚~バーディーのケイト~一杯のお茶~トイ

カロランのハープ
ダンカン・バーネット:アーヌ・グラウンデル
ジェームズ・オスワルト:ダンバートンの太鼓の鼓動
スコットランド伝承曲:トゥーロッホゴルムのリール

エディンバラの花
アイルランド伝承曲:タットルのリール、剣の舞
チャーリー・ハンター:エオーンの丘
アイルランド伝承曲:アレクサンダーのホーンパイプ
エディンバラの花(リール)
ニール・ガウ:2人目の妻の死への哀歌
漁師のホーンパイプ
トーマス・アンダーソン:ピーターのペリー・ボート

ドニゴール・セット
ジョン・プレイヤード:ローヴァー・リフォームド
スコットランド伝承曲:レディー・メアリー・ヘイのスコットランドのリズム
ターロック・オキャロラン:カロランのいとまごい
ドニゴール伝承曲:ガスティのうかれ騒ぎ
ライアン「マンモス・コレクション」:ジミー・ホルムのお気に入りのリール

人間の声
ヨハン・セバスティアン・バッハ:アルマンド(無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011より)
マラン・マレ:人間の声(ヴィオール曲集 第2巻より)
ヨハン・セバスティアン・バッハ:ブーレ(無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010より)

アイルランドの風景
ターロック・オキャロラン:オーウェン・ロウ・オニールの哀歌
アイルランドの丘
アイルランド伝承曲:朝露、冬のりんご、ダブリンへの岩の道、山の上の子供、モリソンのジグ

▼料金

【全席指定】一般 4,000円 ユース(25歳以下)1,500円
●18:30開場 19:00開演

チケットの取り扱い

水戸芸術館
・エントランスホール・チケットカウンター
・チケット予約センター 029-231-8000
・ウェブ予約 http://arttowermito.or.jp/tickets/ticket.html

e+(イープラス)http://eplus.jp(PC・携帯)
MUSIC SHOPかわまた 029-226-0351
ヤマハミュージックリテイリング水戸店 029-244-6661


▼プロフィール

©Toni Penarroya

ジョルディ・サヴァール

トレブル・ヴィオール、リラ・ヴィオール

 1941年、スペイン・バルセロナ県の都市イグアラダ生まれ。6歳で地元の少年合唱団に参加して音楽を始め、バルセロナ音楽院でチェロを学ぶ。1964 年に同音楽院卒業後、独学でヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)および古楽を学んだ。1968 年よりスイスのバーゼル・スコラ・カントールムで研鑽を積み、1973 年より師であるアウグスト・ヴェンツィンガーを継いで後進の指導に当たった。
 今日の音楽界における傑出した芸術家の一人として知られ、ヴィオール奏者、そして指揮者として過去50 年以上にわたり古楽の調査、研究、そして解釈に力を注いでいる。エスペリオン XX(1974年設立、21世紀からはエスペリオンXXI)をはじめ手兵となる3つのアンサンブルを立ち上げ、忘れ去られていた重要なレパートリーを復元、ヴィオール音楽のファン層を広げている。
 アラン・コルノー監督の映画「めぐり逢う朝」(1991 年)では音楽を担当し、そのサウンド・トラックはセザール賞を受賞。また、これまでに録音してきた230枚以上のディスクでは、中世から古典派までの長い時代、地中海沿岸からアジアまでの広い地域の音楽を網羅している。
 サヴァールと共演する音楽家は西ヨーロッパ諸国だけでなく、アラブ、イスラエル、トルコ、ギリシア、アルメニア、アフガニスタン、メキシコ、北米出身者を含み、またそのコンサート・プログラムは、交戦中の民族と文化の間で相互の理解と平和を成し遂げる調停にも及んでいる。これにより2008年には、異文化間の対話のための欧州連合大使に任命され、ユネスコの「グッド・ウィル・アンバサダー」というプログラムのもと、「平和のためのアーティスト」と冠された。
 これまでに様々な大学から名誉博士号を授与されているほか、ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジク誌の“ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー”、仏ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュジクの“ソリスト・オブ・ザ・イヤー”、音楽のノーベル賞ともいわれるデンマークの“レオニー・ソニング音楽賞”などを受賞。また、フランス文化省より芸術文化勲章オフィシエを授与されている。

© Toni Peñarroya

アンドルー・ローレンス=キング

アイリッシュ・ハープ、プサルテリ

 バロック・ハープの名手として、クリエイティブな通奏低音奏者として、古楽の世界を牽引する音楽家。ロンドン、ケンブリッジで研鑽を積み、数々の古楽アンサンブルと共演し通奏低音奏者としての地位を確立した。
 1988年、通奏低音グループ“トラジコメディア”を設立。ハープのソリストとしてジョルディ・サヴァールのエスぺリオンXXに参加。またブレーメン古楽アカデミーとバルセロナのカタルーニャ高等音楽院の通奏低音、ハープの教授に任命された。1994年には“ザ・ハープ・コンソート”を結成、活発な演奏活動とレコーディングを行った。
 CDは現在、ハルモニア・ムンディUSAよりリリースしており、「ミサ・メヒカーナ」は“ロンドン・タイムズCDオブ・ザ・イヤー”に、「ミラクル」はオランダ“エディソン賞”に輝くなど、いずれも高い評価を得ている。
 ソロ・リサイタル、ザ・ハープ・コンソートとのツアーのほか、ヨーロッパ、スカンディナヴィア、アメリカの様々なオーケストラ、コーラス、オペラに客演するなど、活発な音楽活動を展開している。

©Toni Peñarroya

フランク・マグワイアー

バウロン

アイルランドの伝統音楽を演奏していた父と祖父を持ち、楽器をやっと持てるようになった年頃から音楽を始めた。彼はパイプ・バンドで演奏を始め、伝統音楽に心酔した。
 若いころから幾つものバンドで演奏し、音楽祭、テレビ、ラジオへの出演を重ねる。2001年にはショーン・オルークとチャック・フレミングと共にバンド“ライラ・セルティカ”を結成。その後もアイルランド伝統音楽の名手たちをバンドに迎え、大成功を収めた。
 演奏活動と同時に打楽器の様々な研究を行うことにより、フォーク、ブルース、オールド・アメリカン、ブルーグラス、ソウル、ゴスペル、クラシックなど、様々なジャンルの第一級の音楽家と共演している。
 2010年、ジョルディ・サヴァールの依頼により、アンドルー・ローレンス=キングとともにCD「ケルティック・ヴィオール II」のレコーディングに参加。以来、トリオの一人としても世界中の音楽祭やコンサートで演奏している。


▼登場する楽器について

ヴィオール
 ヴィオラ・ダ・ガンバ(「脚のヴィオラ」の意)のこと。サイズ・音域によりいくつかの種類がある。今回サヴァールが弾くリラ・ヴィオール(バス・ヴィオール)はバラク・ノーマン製(ロンドン 1697)の7弦。高音の出るトレブル・ヴィオールはニコラス・シャップイ製(パリ 1750頃)。

アイリッシュ・ハープ
 12世紀ごろからアイルランドで用いられていたハープ。ケルティック・ハープとも呼ばれる。

プサルテリ
 14~15世紀に愛用されたツィター型の撥弦楽器で、のちのハープシコードの前身にあたる。

バウロン
 アイルランドの伝統的なフレームドラム。ボラーンとも呼ばれる。


▼公演概要

公演名

ジョルディ・サヴァール・トリオ
ケルティック・ヴィオール


会場

コンサートホールATM


開催日

2017年9月15日[金]


主催

公益財団法人 水戸市芸術振興財団